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BIR: 読書の価値 / 森 博嗣

pulished:

きみは赤ちゃん - 川上 未映子

あらすじ

※ Amazonより抜粋

何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある――。 わからないことは何でも検索できる時代だ。娯楽だって山のように溢れている。それでも読書でしか得られないものがある――。読書が苦手でしかたのなかった少年は、どのように本と向き合い、大学教授・ベストセラー作家となったのか。並外れた発想力と知的生産術を可能にする「読書の効能」がいま明らかに! 著作累計1,600万部超を誇る作家・森博嗣が、「きれいごと」抜きに語る体験的読書論。

●僕は本を読むことが苦手だった ●速読は読書とはいえない ●「つまらない本」の読み方を教えよう ●本選びで大事にすべきたったひとつの原則 ●僕は一度読んだら忘れない ●「読みやすい本」には罠がある ●教養とは「保留」できる能力のことである etc

デビューして二十数年になり、これまでに三百冊以上の本を上梓してきた。最初のうちは小説ばかり書いていた(というよりも依頼があったので、書かされていた)のだが、ここ数年、エッセィや新書を多く執筆している。僕としては、子供のときがそうだったように、虚構の世界よりは現実について書く方が「素直」な行動だと感じているし、未だに、自分で読むものはノンフィクションが九十九パーセントである。それなのに、何故こんな職業に就いてしまったのか、と不思議だ。今でも、ときどき首を捻ひねっている。 しかし、いずれにしても明らかなことは、僕がもの凄く沢山のことをすべて本から学んできた、という事実である。文字がすらすらと読めないハンディを背負いながらも、とにかく本を読むしかなかった。知りたいことは、活字を追うことでしか得られなかったのだ。そして、本を読むことが僕にとって、いつの間にか日常になり、また、そういったインプットを体験していたからこそ、逆にアウトプットする仕事を得られたのである。 (「まえがき」より抜粋)

感想

ずっと森博嗣のSF小説を面白いと思えずなんども挫折し相容れないのかもしれないとおもっていたのだが、新書のほうが読めるのでは?!とおもって読み始めた。 読めるし、面白い。 私が生まれ変わったらこうなりたい「それなりに財産のある都会の家に生まれた理系男子」のお爺さん版が森博嗣ということがわかった。 彼自身はある程度特別であろうし、言ってることは最もで、興味深いけれど、彼のような人が持て囃され彼のような人だけが活躍できる社会では駄目だよなと、本の主題ではない部分が思考に入ってきまくる。 知識は秒で手に入らないけれど、知識を得る楽しさや興味深さ、それを経験しなければ人はそれを自らすすんで行えない。皆が皆森博嗣として生まれてきたわけではないから。 そういった視点は欠けているなあとおもうが、「それなりに財産のある都会の家に生まれた理系男子」を経た大先生からそれを言及することは期待していないので、まぁどうでもいい部分でもあるともいえる。 それに、森博嗣とかけ離れた人物(像については明記しない)がこの本を読むことはないだろうから。

文章は読むのも、それを想像するのも、組み立てるのも、書くのも、それを別のなにかで表現するのも、素晴らしいことだとおもう。


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